あなたはどのようなご本をご所望ですか─。

2016.12.11 09:00|books
”世に無駄はない、世を無駄にする者が居るだけだ”

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京極夏彦『書楼弔堂 破曉』
2016年マイベスト10に入ってくると思います。つい続けて2回読みました(笑)。京極夏彦本といえば、初めて読んだのが『魍魎の匣』と『姑獲鳥の夏』、昔、ケンブリッジ(MA)にコトブキヤとかそんな名前の日本食材を取り扱っているスーパーマーケットがあって、自宅から1時間ぐらいの遠い所やったんですがその通りを隔てた近所に”流石書店”という日本書籍を取り扱う本屋があったんですわ、私それまでミステリはあまり読んでなかったんですが、そこの店主さんに勧められて京極夏彦初体験したのを鮮明に覚えてます。いやはや、衝撃的におもしろくて以来、京極夏彦の京極堂シリーズの大ファンやったんですが、今作は当時の感動が甦るような作品でした。こんなのをもっと読みたいです。
主役は本、ワキが高遠彬、世界の本の墓場弔堂という本屋の主/龍典(りょうてん)、丁稚/撓(しほる)を中心に客として色んなビッグネームが訪れるという豪華な設定。客は『臨終』大蘇月岡芳年 にWilliam James『The Varieties of Religious Experience』、『発心』泉鏡花に真土事件関係資料、『方便』矢作剣之進(巷説百物語の不思議巡査)、勝海舟、井上圓了(越後長岡の慈光寺の子、哲学者/妖怪博士)そして圓了に鳥山石燕『画図百鬼夜行』、『贖罪』中濱”ジョン”万次郎、岡田以蔵で以蔵に杉田玄白訳をさらに弟子の大槻玄澤が訳し直した『解体新書』、『闕如』巌谷小波に渋川清右衛門版『御伽草子』、『未完』中禅寺輔(京極堂シリーズの主役、京極堂/中禅寺秋彦の祖父、こちらで秋彦の父が耶蘇教に改宗しているというのも語られる)秋彦祖父には”武蔵清明社縁起”とその父が著した未完の陰陽に関する秘伝書のたぐい、高遠にはローレンス・スターン著『トリストラム・シャンディ』(The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman)。そして挿絵もトリストラムシャンディかと思いきや、何故かオリバー・ゴールドスミス著『The Vicar of Wakefield』やと思いますねぇ。色々と含み多いです。
ともかく、こんなフランスのカタコンベのような本屋でうもれられたら至福でしょうねぇ、夢のような場所です。

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高橋克彦『浮世絵鑑賞事典』浮世絵インデックス本、こんな短文ですばらしいまとめっぷりに脱帽、”事典”の名を冠する事に意義無し。浮世絵に興味を持ちはじめたばかりのビギナーの基本情報蒐集に良いですね。ババ的ド忘れを補うのに最適。読み物と言うにはナニですが、1、2分の隙間に(たとえば厠とか、笑)1つ読むような、そんな用法もアリだと思います。とりあえず、1冊常備系。
高橋克彦『浮世絵ミステリーゾーン』、新刊の”鑑賞事典”を読んだので思い出して引っ張りだして来て再読した。数少ないギブアップできなかった文庫本のひとつでお気に入り。浮世絵謎解き(笑)エッセイ、”読む”という点ではこちらのほうがおもしろい。

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原田マハ『モダン』
NYCのMoMA(ニューヨーク近代美術館)が舞台のグランドホテル形式の人間ドラマ。とにかく短すぎてどうも浅いのと時制がややこしいのと、東日本大震災と911のエピソードの印象が強すぎて他のモチーフや書き込まれバランスが悪いように感じるもうすこし長い話ならばもうすこし読めたかと思う(私比)。『中断された展覧会の記憶』という2011年の東日本大震災時にMoMAが架空の美術館”ふくしま近代美術館”のワイエスの特別展に貸し出していた”クリスティーナの世界”を会期の途中で引き上げる、『ロックフェラーギャラリーの幽霊』1999年年末セキュリティオフィサーと初代館長の”幽霊”とピカソ”アヴィニヨンの娘達』と『鏡の前の少女』(装丁)、『私の好きなマシン』1934年ー1981年マシンアートに影響をうけ”マシン”のデザイナーになる女性、『新しい出口』2001年セプテンバーイレブンで親友を無くし、PTSDで離職するMoMA職員、『楽園のカンヴァス』のティム&トムブラウンの企画した大展覧会、マティスとピカソ、『あえてよかった』2000年東京に出来る新美術館の為にMoMAにノウハウを学びに派遣されてきた日本女性。

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懐かしい場所、よく知った作品が出てくるのでそれなりに楽しくはあったが、、。ちょっと思い出がダブルパンチでリンクしてしまいまして、妙にざわざわした気分になりました。
セプテンバーイレブンの時、NYCから車で3時間ぐらい離れた田舎に住んでたんですが、朝っぱらからものすんごく珍しく父から電話がかかってきまして、「すぐテレビつけろ!」と。テレビ点けて魂消ましたが、それより父から電話のほうもかなり魂消ました。私と同じく電話無精な人でしたんで、ほとんど電話で話をした記憶がないです。が、セプテンバーイレブンの事は未だによく報道されたりこうして題材になったりしているので、その度に父の「テレビつけてみぃ」という声を思い出します。なんちゅうか、、父の記憶がテレビつけてみぃってのもナニですが(あはははは)、全く小説と違う所で色々思い出されて喉が詰まります。



Christina's World
そういえば何年か前にワイエスのクリスティーナズワールドのオマージュにこんな写真を撮ってました。
なつかしいなぁ。

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MoMAのセキュリティーさんたち
個性的な人多いんですが、これもやっぱり派遣でなく正社員だというのがキいてるんでしょうか。
私たちゲストに対し、慇懃に敬意をもって疑がってくれてます(あははは)。

読書は新しい事を知ったり、心の旅に出るだけでなくて、
昔の思い出をリフレッシュしたり、色々と考えるきっかけをくれたりしますねぇ。
”私にとっての1冊”にいつか会えますように。

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Comment

No title

オヤジにとっての1冊は
「ぼく明日」になるかも? (笑
さぁ、今週末の公開です
仕事で行けませんが・・・ (汗

No title

私にとっての1冊
きっと赤毛のアンだろうな。
プリンスエドワード島で結婚式までしちゃいましたし(笑)。
今年はjubeさんきっかけで茅田砂胡さんに出会い
ウホウホでした♪
好きな作家さんがまた一人増えました~。

No title

「浮世絵辞典」買ってこようと思います。
京極夏彦、昔それ読みました。
原田マハ、今一番好きな作家です。
MoMAに行ってみたいです。

ロンゲのオヤジさん

コメントありがとうございます
ほんとーにビッグイベントになりますね。
たのしみですね〜〜〜〜〜!!
私も来週見に行きます!

リクさん

コメントありがとうございます
プリンスエドワード島、鳥見の聖地の1つですわ(笑)。
”私にとっての1冊”すでに出会われているとは非常に羨ましいです。私はまだまだサーチの旅です。
茅田砂胡作品ははまりますよね!出会いに乾杯!私は結局デルフィニア全部購入再読しました(爆)。そんなことをしているから時間がなくなる(あはははは)。思う存分本が選べるというだけでも帰って来てよかったとつづくづく思います。

無楽斎さん

コメントありがとうございます
文庫本ですし、高橋さんはけったいなエイリアンなイメージがありますが、歴史物はすばらしい作家な上に専門が浮世絵なのではずさないですわ。この弔堂も2冊目が出たお陰で私も知る事ができました。2013年出版ですね!ま、当時知っててもこんな重い単行本は注文していないと思いますが(あはははははは)。パリもいいですが、NYCかDCもお勧めです、いっそ一度にいらっしゃったら至福(いや、しんどすぎかもしれませんが、笑)。NYCはメット、モマ、フリックこの3館だけでも1ヶ月居座れますわ、是非なんとかしてください(笑)。
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