土牢の9ヶ月
神奈川宿紀行第十三話
鎌倉うろうろしております、第一話でリストアップした行き先も最後の一カ所
鎌倉宮、鶴岡八幡宮、御霊神社、佐助稲荷神社、宇賀福神社、江島神社
鎌倉宮、大塔宮護良親王終焉の地で親王をお祀りしています。
大塔宮護良親王は延慶元年(1308年)後醍醐天皇皇子として誕生、11歳延暦寺入山、20歳で天台座主。元徳3年(1331年)6月、後醍醐天皇鎌倉幕府倒幕の挙兵に立った時に、親王(尊雲法親王)も参加しようとしたが計画初期段階で幕府に漏洩、天皇ハ配流(隠岐)。そこで尊雲法親王は還俗して護良親王と改名し楠木正成らと連携して元弘2年(1332年)11月挙兵、各地の武士に令旨を送り呼応した武士が次々と挙兵。足利尊氏、赤松則村らが六波羅探題を落とし、また新田義貞が鎌倉に攻め込み、鎌倉幕府は北条一族と共に滅び、護良親王が征夷大将軍となる。
鳥居の前に盃割り舎があって、厄割り石があります。
初穂料100円/1枚 土器の盃に大きく息を吹きかけて、この石に投げて割ることで体の厄を祓うという。いわゆる土器割りです。土器割りについては色々諸説ありますが、単純に石にワレモノをぶつけて割るって、ストレス解消とか気分高揚になりますよねぇ。物語の夫婦喧嘩では嫁がお皿を割るのは定番ですし、世界のあちこちの結婚式でグラスや土器を割ったり、日本の結婚式でも盃を割る地方が多々ありますし、、戦の前に盃割ったりしますねぇ。なんちゅうか、やったるで的なね、ともかく、
100円納めまして、盃を持つ
おもいっきり息を吸い込みまして、
南無八幡大菩薩願わくば我が煩悩去らせたまえぇぇ(いや、主旨もなにも色々違うし)
(*≧m≦)=3 フウウウウウウウウウウ!
パキャッ
微妙な割れ具合だこと(滝汗)
でもなんかスッキリした。これ、もっとデッカい皿だったらもっとスッキリするかも(だから主旨が違うってば)。
穢れを落とした美しい気持ちで宮にお参りします。
拝殿にてシッカと祈り、拝観料を納めて本殿裏へ
元弘3年(1333年)6月23日兵部卿/征夷大将軍となった護良親王、、
翌年の建武元年(1334年)、足利尊氏となって尊大になった高氏と対立、、
10月宮中の歌会に出席した時に、尊氏らの策謀で捕われの御身となる。
そして12月、この土牢に幽閉。
この暑い日だというのに、この土牢には日が当たらず差し込まず、暗くてとても冷たい、、
こうして土牢を目の前にして護良親王をおもうと、本当に胸がつまります。
数えで28歳であらせられた親王
こんな狭くて暗くてじめじめした土牢に9ヶ月、、
奥行き4メートル、8畳で床もない、土の牢屋。12月の鎌倉は今よりもっと寒かったと思う。
9ヶ月後、北条時之軍から敗走する足利直義(足利尊氏の同母弟)は、帰りがけの駄賃かのようにどさくさに紛れて家臣淵辺義博に暗殺命令を出す。酷すぎる。確かに幕府を開くのに護良親王は非常に邪魔な人物だったのは確かですが、それでも酷すぎる。
足利ってどうも嫌いなんよねぇ、、。尊氏も外様とはいえもともと北条子飼いで北条高時から一字もらって高氏と名のっていた北条方ヅラして京都へ進軍、で、日和って北条を裏切り後醍醐天皇についてエエとこどりして、後醍醐天皇尊治から一字もらって尊氏となっているのに、今度は後醍醐天皇を裏切って、勝手に別天皇を立てて室町幕府を開いたっていう、単純に嫌悪感感じます。
御構廟(御首塚)
斬殺された親王の御首級がこちらに置かれたそうだ。
親王は殺されると分った時、最後のお茶を所望したそうです。でも、お茶どころか水の一杯すらもらえず、首を落とされたと、、。恨みのあまり、親王の首は淵辺義博の刀に食らいついて、刀を歯でへし折り、そのまま離れなかったという伝説が残っています。聞いたまま理解すると、護良(もりなが)親王は御霊(ごりょう)になられた、という事ですねぇ、、。もともと多分モリナガという名前は護長と書かれたんかと推察します。長く護らず、長く祟らないように、良の字にかえて怨いを解こうとしたものか、それともそのまま護良(ごりょう/御霊)と読ませる為にかえたのか、、。
そりゃ、祟るで、しかし。
護良親王が戦の時に兜の中に獅子頭の小さなお守りを忍ばせて自らの無事を祈った事が由縁だそうで、鎌倉宮の創建当初からのお守りとして授与されているそうです。私も中型の獅子頭守を授かってきました。兜は被らないので一番よく通るふすまの鴨居にかけてあります。それと護良親王御事蹟の冊子。何度読んでも泣ける。
もう、どうしようもなくダークな気分で泣きそうな気分で大塔宮を辞すると、
先に空が本格的に泣きはじめました。
これで鎌倉行くぞリストはすべてまわりました、、
かまくら、、実際に観る前よりもさらにイメージがダークになりました。
悲しくも興味はつきません。また別の機会にゆっくりまとめて考察したいと思います。
さて、歩くのは諦めて、バスで駅へ
さて、鎌倉を出ます。
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東海道中膝電車スキマ旅13