御霊社鳴動す

2016.10.12 09:00|away-soul
神奈川宿紀行第五話
江の電にゆられ御霊神社を目指します

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極楽寺で下車
鎌倉、というとやっぱり外せないのが”切通し”
鎌倉七口と江戸時代に呼ばれるようになったという、三方を山に囲まれた鎌倉を陸路で入るときに通る入り口
極楽寺切通、由比ヶ浜〜七里ヶ浜
大仏切通、長谷〜深沢
化粧坂(けわいざか)切通、梅ヶ谷〜葛原ヶ岡
亀ヶ谷坂切通、山ノ内〜扇ガ谷
巨福呂坂(こぶくろさか)切通、雪ノ下〜山ノ内
朝夷奈切通、十二所(じゅうにそ)〜金沢
名越切通、大町〜逗子
陸路はこの切通し以外に鎌倉に至る道はなかったそうです。
ちゃんとした滑らない靴が要るような本気の切通しは今回時間と装備により諦めました。今でこそ簡単に鎌倉内に入れるようになりましたが、交通網が整備されるまでは装備がなければ入れないようなところだったんだなぁ、と色々考えます。それに切通は話が長くなるのでまたいつかゆっくり歩いた時に歩きながら考察したいです。が、しかし、1つぐらいは通りたい。
ということで、いまではなんちゃって切通しになってしまっている極楽寺坂切通しを通ります。

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すっかり鎌倉時代当時の面影もない車通行可の舗装された”いい”道路です。
良い道になっている現在ですら2車線カツカツな道路なので聯隊移動は困難でしょう。況や鎌倉時代をや。
私、気分よく歩いていますが見通しが悪く、歩道もビミョーなのでボヤボヤウロウロ見学していると危険です。
こんなところに上杉憲方の墓、墓?!と思ったら小さい字で”この奥”と書かれている、、
なんかたまに軽トラ販売でやってくる、物干竿500円カラの「カラ」を連想してしまった。この右手の民家のワキの獣道のような「ここ人んちとちゃうん?」な所を入って行くと七層の塔があるらしい、ま、御霊神社へ行くまでに体力を奪われてもナニなので割愛。

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脇道もこんな感じ
まさに「切」って「通し」ています。

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鎌倉十井のひとつ 星月夜の井
星の井、星月の井とも呼ばれていて、井戸の中に昼間も星の影が見えたのでこの名がついたといわれている、と看板に書かれていました。この星月夜の水は昭和初期まで旅人に飲料水として売られていたそうです。美味しかったので売れたとか、ご利益があるから売れた、、ちゅうのもあると思いますが、常識的に考えて前述の稲村ヶ崎の話だとか、鉄分含有量が多く川水も赤く濁っていいたそうですから、そんな史実から鑑みて飲める水が少ないから飲料水が売れたんやと思いますねぇ。私なんぞは水道の蛇口から出てくる水や小川の水が飲めるような場所で「水」を買おうとは思わないですもん。水道の水が飲めないから飲料用の水を買うわけで、。氷水だとか今で言うグルメ水とかそういうのは別ですが、普通の井戸水ですし。ま、最近ではオシャレな水とか余所の国の水とか瓶やペットボトル入りの”水”時代なのでピンと来ないかもしれないですが、昭和の水資源にあふれた和歌山人の私には、水がお金になるという場所はかなり人間が生きるのに努力がいるところやと思います。ま、そんなことをおしゃべりしながら星の井の前を通り過ぎるとすぐに”五霊社”の道しるべが見えました。
道しるべの前には〜

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一緒に案内してくれております、友”のんちゃん”おすすめの老舗和菓子屋。
鎌倉名物夫婦饅頭 老舗力餅家
こちらの力持ちはものすごく有名なんですが、のんちゃんおすすめは”福面まん頭”
私の大好きな道成寺つりがねまんじゅう(和歌山です)に似たタイプの饅頭だとか、道々歩きながら話を聞いて涎わきまくり。しかも、御霊神社で面の饅頭となると必須アイテムだ!と、お参りする前にまず先にゲットしておこうと寄りました。

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なんと、福面まんじゅうは最後の1個でした!!ラッキーしまうまケツちゃいろ。
のんちゃんはまたいつでも買えるから、と譲ってくれまして私が食べました。
それと、もちろん有名な権五郎力餅、それに源氏山などもゲット♪
全部美味しかったですが、やっぱり福面まん頭と力餅、賞味期限が”その日のうち”なのでホテルか移動中にて食べるお土産となりますんで、箱買いできないのが寂しいですが(笑)、一個から買えるのが嬉しいですわ。どちらも必食です!
もっとたくさん食べたかった〜、次に機会があれば先ず御霊社からお参りスタートしようと思いました。春には力餅はよもぎ餅となるそうで、、そちらも垂涎ですねぇ。
私も激烈にお勧めいたします。

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罰当たりにもさきに饅頭を拝んでから権五郎さまにご挨拶に、、
平日の昼間とはいえ、ものすごく静かです。
なんとなくもっと観光客がわさわさ居りそうな想像をしていたのですが、、

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なんと鳥居の真ん前に江の電がブッ通っておりまして魂消げました。
力餅家の前にある道しるべにも書かれているように、もとは五霊、関東平氏五家の始祖(鎌倉氏・梶原氏・村岡氏・長尾氏・大庭氏)5氏の霊を祀った神社だったそうです。いつのまにか鎌倉権五郎景政の一柱のみに祭神は淘汰されて、五霊から御霊神社と呼ばれるようになった、と書かれていました、が、経緯はともかく御霊とつくからにはやはり祟り神でしょう(御霊信仰)ねぇ、そして祭神の名から権五郎神社と呼ばれているそうです。鎌倉権五郎景正、というと有名なのが16歳頃の後三年の役に源義家側で出陣、右目を射られながらも奮闘した逸話が「奥州後三年記」で読む事が出来ます。右目に矢がささったまま生還したという話。問題はこの生還したときに、一人の武士(偉くも有名でもない一武士)が権五郎の顔を履物はいたままの土足で踏んで矢をひっこぬこうとして、権五郎が激怒した、って話がものすごく心に残っています。咄嗟の時でも普通人の顔に土足はかけへんわな、誰かに手で抑えてもらうとかせめて膝で抑えるわな、足はないわ、、。鎌倉党、靴足で踏むのに躊躇がない程度に人扱いされてなかったんだろうと思います。被差別民の歴史を感じるエピソードです。

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よくお祈りしました。
祟らないでください。

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こちらの御霊神社は面掛行列(めんかけぎょうれつ)で有名ですねぇ。9月のお彼岸の頃(終わって間なしで観られず残念)、所謂霊たちの”命日”の頃に御輿渡御の際に執り行われるそうです。非人の面を掛けた行列が町内を練り歩くんですが、私はビデオでしかみたことがないですが、はっきりいってものすんごく威圧感のある行列です。怖いです。こちらの宝物蔵で面を拝見することができました(撮影禁止)。行列順序は、爺、鬼、異形、鼻長、烏天狗、翁(寿老人)、火吹男(ひょっとこ)、福禄(福禄寿/布袋とも言われている)、阿亀(おかめ)、女(とりあげ/助産婦さんのような女性)、そして猿田彦の面を被った人達が妊婦の阿亀を中心にウロウロと歩いていきます。動きがまさにメンチ切って歩くヤーさんズ的な、、。表向きは豊作豊漁を祈る行事だといわれているようですが、こちらの伝説によりますと、この阿亀は頼朝が孕ませた穢多頭(当時の被差別民)矢野弾左衛門の娘、菜摘御前とも言われているそうです。そんな地元のゴットファーザーの娘を孕ませといて、身重になって夜の相手ができんなら用はないわ(ミもフタもないですが、南北戦争以前のコロニーでの女性奴隷の扱いを連想してしまいます、あんな感じが近いのではなかったか、、)とばかりに好色頼朝は足が遠のくわけですわ、、そりゃ御霊社も鳴動するわけです。吾妻鏡に書かれているまんま、宝物殿ぶち壊されるような暴動おこされたんやとおもいます。当時の頼朝というと北条の政治力と地元非人組織鉄組合の金とヒューマンリソースなどで成り立ってるようなもんですから(私見解)。でまぁ、”忘れんなよ!わしら怒ったら怖いねんぞ”という怨念をこの面に感じてねぇ、怖かったです。
 『吾妻鏡』ではこの後、暴動おこされて宝物殿壊された頼朝のほうが平謝りで”貢ぎ物”をするわけですが、その貢ぎ物がちょっとショボイことに藍摺の反物2反ぽっち、、そりゃまぁ、あかんとおもうんですが、、やっぱりそんなケチでウーマナイザーな頼朝さん、稲村ヶ崎(鎌倉党本拠地)にて”落馬”して死ぬわけですわ、、。平家も奥州藤原氏も滅亡、後白河法皇も薨し範頼も殺されているとなると、頼朝の存在価値もないですし、そんなときにそんな不義理なスキャンダルとかもう、ダメダメですわなぁ。ま、ダークな感じです。

境内には大きなすばらしいタブの木をはじめリッチで他種な木々
それにオオルリ、キビタキ、シジュウカラ、エナガ、メジロなどがわちゃわちゃ騒いでいました。楽しい、、。
ふと気配を感じて振り向くと

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イチョウの木の下にみっしりと女性がかたまっているのに気付き
ギョっとしました。
写生をしていたようです。
面掛行列の事を考えていたところで、かなり怖かったです(あははは)。
祟らないでください(祈)

御霊神社に参詣できて大大満足でした、もうここで燃え尽きたといっても過言ではない(笑)。
あとはゆっくりスローダウンさせることにして、こちらの御霊神社北側にある長谷寺に向かいます。そのまま北に薮をあるけば隣りなんですが、そういうわけにもいかないので一度普通の人が歩く道にもどってグルーリと回ります。なんか長谷寺でとっても可愛い特別展覧会が開催中だそうで、楽しみです〜〜。

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オマケ

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御霊神社の紋 入れ違いの矢

>八月大廿七日丁丑。午剋。御靈社鳴動。頗如地震。此事先々爲怪之由。景能驚申之。仍二品參給之處。寳殿左右扉破訖。爲解謝之。被奉納御願書一通之上。巫女等面々有賜物〔各藍摺二段歟〕。被行御神樂之後還御云々。

>八月大廿八日戊寅。二品被進御書於京都。是葛上神湯兩庄事。可被下 院廳御下文之由也。勅使河原後三郎爲使節上洛云々
『吾妻鏡』より文治元年(1185)

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御霊神社境内の弓立ての松


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同じく御霊神社境内の庚申さん

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六地蔵
極楽寺坂切通をこえるとある地蔵
いたずらされたり盗まれたり壊されたりしたので、シャッターをつけたそうだ。
この鎌倉にはほかにもたくさんの重要文化財などが警備ほぼゼロの状態でうっちらかっているのにとても良い保存状態でいたずらもされていない、そんななかでナゼこの新しい六地蔵がターゲットになっているのだろうか、、
ミステリーだわね。

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極楽寺坂切通付近にあった秘密基地
かなりナニな施設も目立つ。

時間がいくらあっても足りません。

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Comment

はじめまして

御霊神社ですか。残念ながら行ったことがありません。地図で見た限りでは長谷の駅からのほうが行きやすそうですね。極楽寺そのものが縁なき衆生に対してけちくさい感じがして好きでないので、私が行くとしたら長谷からになりそうです。
位置的には長谷寺の崖の下という感じでしょうか。

観光コースから外れ、ゆっくりと見て回ることができそうで、良い行き先のようですね。私も行く機会があれば、立ち寄ってみたいと思います。

リンクさせて下さい

いつも訪問、ありがとうございます。
こちらのブログも、拝見しています。
よく見ると、リンクフリーとのこと
早速、リンクさせていただきました。
ご迷惑でしたら、ご一報ください。

Az Takさん

コメントありがとうございます
はじめまして、先日は羽黒山、今回は鎌倉と行き先が似ているので不思議なご縁を感じております。もしかするとどこかですれ違っているかもしれませんね。
おっしゃるとおり、長谷寺の崖の下です。長谷寺の駐車場から裏道を通ると御霊神社の庚申さんのところにでてくるそうです(150メートルほど)。鎌倉はとても興味深い土地ですね。今回、時間がなくて寄れなかった遺跡などもあるので、是非こんどは暑くないい日に訪れたいと思います。

No title

力餅、あちらこちらにあるのかな?
滋賀の浜大津にある
力もちが子供の時大好きでした
怪しい秘密基地ですね  (笑

メバル所長さん

コメントありがとうございます
リンクありがとうございます。大歓迎です。
いつもすばらしい写真楽しませていただいております。ありがとうございます。
新潟にも資料館や演習場がありますので、機会があればお立寄ください。

ロンゲのオヤジさん

コメントありがとうございます
どこにでもあります←力餅
和歌山にもあります(笑)。餅は力ですから(あははは)。そしてどこの土地の力餅も餅に餡子(こしあん)ですねぇ。関西だと”力餅食堂”という暖簾わけ増殖のお店があるので、メジャー店(笑)な気がしますし。
秘密基地、めっちゃあやしいです。ちょうど私たちの年代ドンピシャで泣けますよ!

No title

おぉ鎌倉!
年に一度行く鎌倉 なんですが
しかしカンコーしている暇が全くないのでありました
でもここに出てくる場所はとりあえずみんな知っておりまする
なのに そんな時代を噛み締めてみたことはいっぺんもなかった!
そして饅頭 買ってみたいといつも思うのですが 
甘党でないゆえにお客さんが並んでたりすると買おうとする情熱がしゅるしゅると消えていきます

今度行ったら しっかり歴史を感じてこようと思います~
(いつもただ吞んだくれてるだけなの・爆)

No title

脇道スゴイですね~!!
緑の壁♪

老舗和菓子屋
また外観が良いですね~
福面まんじゅう美味しそう。
この手のまんじゅう大好き♪

No title

石の道しるべ。
歴史を感じますよね。あぁ、そんな時代からいろんなものを見てきたのね~と。

老舗和菓子屋、いい味です。
建物そのものが老舗ですね。
福面、本当に福々しいお顔です。そしておいしそう♪

英雄色を好むのは全世界共通なんですねぇ。困ったもんだ(笑)。
頼朝さん、ケチとウーマナイザーを両立させるとは!
やりますなぁ(笑)。

タロウの母さん

コメントありがとうございます
鎌倉、大変楽しゅうございました。興味が尽きない土地ですね。
幸いにも力餅家さん、お客さんが私たちの他はおりませんで、ゆっくりお話をして買い物させてもらいました♪タイミングでしょうか、ラッキーでした。
旅は人それぞれなので千差万別の楽しみ方があると思います〜、飲んだくれるもまた楽し♪

ふくねえさん

コメントありがとうございます
もーー、普通に歩いて出来た道っていうんではなくて、道作りました!ってのがものすんごくバレバレなんです。結構な岩肌を手掘りで掘ってある道とかがいっぱいあちこちにあって、ものすごく面白かったです。
外観もとってもいい感じでした。周りが普通の今出来民家ばかりなのでポックリと浮いたかんじなのがまた面白いです。カステラっぽい生地に餡子って王道ですよね!

リクさん

コメントありがとうございます
今、片手にグルグルマップがあるとしても、こういう石の道しるべに道をおしえてもらうほうがなんとも嬉しいです。併用(あははははは)。色んな時代の色んな人に道をしるしてきたんですよねぇ(遠い目)
福面まん頭、とても美味しかったです♪でも、御霊神社で面を拝見する前だったのでこんな喜んだ写真を撮ってますが、御霊神社へ先に参詣していたら、きっと違う写真になってたと思いますわ。ものすんごくズッシリと色々考えました。なんせ義経ばっかり色好みだとか色々言われていますが、兄弟似ているってことですねぇ。そういうことです、あはは。
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