まだつづく親鸞 

2016.07.02 09:09|books
私的、越後での親鸞伝説の多さと根強さの謎を考えよう関連の一環。

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五木寛之『親鸞』激動篇上下、完結編上下
同作者『親鸞』上下←カコログで
宗教家親鸞、というよりも学者親鸞です。非常に親しみを覚えました。宗教家のドラマというと特に一神教系だとエキセントリックで脳内エンドルフィン出まくりな人物が多いイメージですが、ここで描かれる親鸞はとても理詰めでロジカル。共感できる人物として好ましく描かれております。
・激動篇上
越後に到着してから雨乞法要が終了するまでの話し、越後出身の恵信尼が親鸞の妻女という設定。外道院や長治、鉄杖など魅力的な登場人物が出てくるがかなり駆け足気味で激動というよりも激流、あれよあれよというまに流されてしまっていて、親鸞なにやっとんねん、と突っ込みたくなる。地方に根付いた原始信仰の中に新しい宗教がはいっていく難しさを感じさせてくれてとても興味深い。
・激動篇下
越後でのゆるめの生活、施療院をはじめるが為政者の交代とともに親鸞は脇へ、さらに鉄杖の自殺、法然の訃報。関東からの勧誘をうけて移動。関東での生活の終盤は恵信の帰越後、そして浄寛の死。京に戻る決意をするところまで。
激動篇と名がついているものの、あまり激動ではないように感じる。布教的な活動はほとんど描かれず、親鸞の内面と政治的な動きや敵味方分かれてのスパイというかニンジャ合戦的なアクションが面白い。とはいえ、楽しく物語りを追うだけでそれなりに親鸞の考えが的確に理解できるしくみになっている。理解する、というのと信心するというのは全くの別モンだということも実感できると思います。そんなんでええんか?親鸞っ!!とツッコミたくなるぐらいベタな親鸞です。
・完結編上
60越えて京に戻って来たところからスタート、かなり伝奇的になってきて面白くなって来た。実は親鸞=イーサン・ハントでもよかったんでは、と思うが親鸞=チャールズ・エグゼビアな感じです。親鸞自身は親鸞なままなんですが、回りが普通の人でなさすぎるのでミラクルな事に(あははは)。ものすごくおもろいです。
・完結編下
とうとう往生、いやはや非常に面白かったです。親鸞が主役の一応歴史的ベースと親鸞の仏教思想はベースになっていますが、ものすごく面白いハイパーアクション伝奇小説。この”ありーひん”ミラクル的な事が微妙なレベルでおさえられているところが、”ありそう”すぎてグイグイハマります。
完結編は上下とおして親子の情と人との関係の比較、父親としての親鸞とブデストとしての親鸞の描き方が秀逸。全くブレない親鸞だが、家族を含む回りの人々の受け取り方の違いが非常に興味深い。真理の凝縮やねぇ。なんというか、この小説に描かれる親鸞の考え方は非常に自分自身の考えかたと似ている所があって、ちょっとゾワっとしましたが、ま、理解されないことのモヤモヤがたまりませんわ。ラストの50ページは圧巻(つづきを読むにすこし引用しておきました)。かぞえで90歳で入滅した親鸞聖人、この小説に描かれたような人だったのか、どうなのか、本当のところはわかりませんが、そんなん言い出したら聖書や論語、コーランをはじめいろんな書物に描かれた”聖人”の人物像はすべて弟子フィルターを透しているわけで、宗教を論じているわけでなく信心を盛って読むわけでもなく、文章として読むとすべてすばらしい作品であるわけです。ま、本書の親鸞に言わせると、そういう読み方しかできない事が心に闇をもっているということでしょうが、、、。これから先の未来がどんなになるかは解りませんが、人類の未来、世界すべての人々がすべての本や物語(電子書籍でもいいですが)にすきなだけアクセスできるような世界が実現しますように。と、心から願います。なんの話や。とまぁ、壮大なロマンでした。

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五木寛之『歎異抄の謎』
歎異抄(たんにしょう)を読みたくて本屋にいってみたら、これが一番廉価だったのと、五木氏の親鸞を読んだところだったのでそんなのもあって選択。とりあえず、最初に原文を読んでみたが、非常にわかりやすくてほかの宗教のOld Testamentとどはずれて遠いということもない。一神教的かというとそうでもない。哲学的。私的には自力と他力というのがよくわからなかったので、そこらへん自分なりに理解した。といっても信心はやはり全く起こらないので、親鸞が真に念仏を唱える人に対して”こう”と理解してほしい”他力と自力”というものかどうかは別として。本当に”伝える”ということの難しさを感じる。対談などは読みはしたが、スルーで(笑)。

残念ながら、五木寛之『親鸞』では越後についてはサックリと流してあまり細かなエピソードは語られなかったんですが(物語的にいらんちゅうたらいらんけどねぇ、笑)。越後七不思議、というと全部親鸞絡みです。
1、鳥屋野の逆さ竹
2、居多ヶ浜の片葉の葦
3、田上の繋ぎ榧
4、山田の焼き鮒
5、安田の三度栗
6、小島の八房の梅
7、小島の数珠掛桜
ちなみにこのリストに八珍柿か平島の波切り御名号がいれかわるバージョンもあります。

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焼き鮒についてはカコログ参照→焼き鮒
焼き目のついた鮒が泳いでいるという、、、
恐怖ゾンビ鮒!!

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鳥屋野の竹は、親鸞聖人が使用していた竹杖を
上下逆にさしたので、上下逆の竹が生えてきたという、、
恐怖ゾンビ竹!!!(いや、怖ないから)
しかも逆さまで生き返らせるとは、いかがなものか

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あ、そういえば、安田の話はまだ書いてませんでしたね、、また再訪したいです。
旧斉藤邸の孝順寺さんです。
安田の三度栗の謎です。安田にて親鸞が説法の御礼にともらった焼き栗を蒔いたら芽がでて1年に3度実をつける栗になったという、、
恐怖ゾンビ栗、しかも三期作大増殖(大歓迎、できたら天津ムキ甘栗で増殖してほしい)

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安田農協、、
栗はちょっと怪しいかもしれない
もしかしたら、、ゾン、、、

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これは謎でもなんでもないですが、即身仏の御堂、弘智法印霊堂の前に立ちはだかる巨大なイチョウは親鸞聖人が植えたらしい、
親鸞聖人も長寿でしたよねぇ、それだけでご利益ありそう。
この流れでくると、弘智法印を触っていたら、、そのまま歩き出したかもしれない、、
そのままゾンビ
イムホーテップ、イムホーーテップ、てぞろぞろ歩きたくなりますが(違うし)
想像してしまってかなりおもろがってしまいましたが、、
親鸞ゾンビ伝説、やっぱり越後ではどうしても念仏の理念よりもミラクルな法力のほうが先走ってしまっているというのを今でも実感します。五木親鸞の中の越後のくだり、非常に理解できますねぇ。すばらしく日本です越後、だから好き。
まぁでも、ゾンビゾンビ言うてたら仏罰あたりそう(あははは)。

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五木寛之『親鸞』完結編下、376〜377ページ

”「そうだ。私は若いころ、比叡山で学んだ。ひと一倍の努力もした。そして多くの知識を身につけた。しかし、法然上人は、人は愚者になりて往生す、といわれていた。いったん智者の世界に身をひたした者が、その垢を洗い流し、愚にかえることは容易なことではない。わたしが、多くの文章(もんじょう)を書きしるしたのは、おのれの智をあらわすためではなかった。それらの知識を、残らず捨て去るためだったのかもしれぬ。しかし、それはできなかった。自力で愚にかえろうといくらあがいても、無理なことなのだ。だがー」
「いまのわたしは、おのずと愚にかえろうとしているようだ」
「大事な経典の言葉が思いだせぬ。書名も、人名も、遠くにかすんでいるかのようだ。かつては目を閉じていても、ありありと流れるように目にうかんだ経文が、どうしてもでてこない。人はこれを年をとって耄碌したのだというだろう。しかし、それはちがうのではないかと思う。わたしはいま、みずからの計らいではなく、他力の計らいによって自然(じねん)に愚にかえりつつあるのだよ」
「わたしはおのずと愚者への道をゆきつつある。なんというありがたいことだろう。法然上人のいわれたように、わたしはたしかに往生するのだ。それを思うと感謝の念で胸がいっぱいになる。そして南無阿弥陀仏、と自然につぶやいてしまうのだ」”

宗教組織にはどうもアレなんですが、
こういう考え方というのは良いもんだと思います。すばらしいです。
とはいえ、個人的にはやっぱり仏教世界的信心はびたいち沸きません(滝汗)。
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Comment

No title

凄いイチョウですね
樹齢何年になるんだろう?
法然上人・親鸞聖人、宗教上
知っていないといけませんが
詳しくは知らないんですよね
その本は、読むと眠くなっちゃいそう  (笑

No title

その年代で90まで存命だったら
それだけで神様仏様ですよね。
平均寿命の倍ぐらい生きたってことですもんね。
その長寿もミラクルのひとつってことで。

どの宗教もとてもいい事を言っているのはわかるのですが
私も「信心」はあまり持ち合わせてないので(笑)。
各宗教のいいとこ取りをして、感心だけしてます。

ロンゲのオヤジさん

コメントありがとうございます
樹齢800年だそうです。このイチョウにもフクロウの巣があって今年も巣立っています〜。
うちの一族の宗派上、まったく関係のない親鸞聖人ですが(笑)越後で住んでいると気になってしかたなくなります(あはは)。この本は数多ある親鸞さん関係の本の中でもエンターテイメント的で眠くなりにくいとはおもいます〜。

リクさん

コメントありがとうございます
やっぱり自力と違って他力の宗派はストレスが少なくて長生きする可能性が高いのかもしれませんね。信徒が爆発的に増えたのもそこらへんあるのかも(あははは)。
ま、当時は仏教=学問でしたし。生活の様子や科学の進歩度からすると信徒数獲得にはいい世の中だったんでしょう。今、宗教が元気というか布教が盛んなのは南米とかアフリカとかですしねぇ。悪い言い方をすれば貧しいところほど宗教のツケいるとこがあるのかもしれません。良い言い方をすると信心があるというか。ま、どの宗教も大元の経典は似たような良い事なので、その解釈と組織化がえぐいことになるんでしょうねぇ。親鸞さんも本人は大変すばらしい人だったようですが、次世代後世代の組織化がねぇ。色々と考える事が多い作品ではありました。
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